こんばんは、Linです🌸京都服飾文化研究財団(KCI)による「ドレス・コード?ー着る人たちのゲーム」展(東京会場・オペラシティギャラリー)に行ってきました!
この展示は2019年8月9日(金)~10月14日(月・祝)に京都で開催された展示で、熊本で2019年12月8日(日)~ 2020年2月23日(日)、東京では2020年7月4日(土) ~ 8月30日(日)の開催でした。
🌸ドレス・コード?展とは
京都服飾文化研究財団(KCI)は西欧の服飾と服飾に関する文献や資料を体系的に収集・保存し、研究・公開する機関で、株式会社ワコールの創業者である故・塚本幸一氏が、NYメトロポリタン美術館で開催されたファッション展を1975年に「現代衣服の源流」として京都国立近代美術館で開催したことをきっかけに、1978年当時の文部省から認可を受けて立ち上げました。KCIの使命としていることそれは時代の特色、社会のあり方、流行や嗜好といった、その時々の人間の在りようと共に私たち自身の存在を見つめ意味を問い直すこと、そして独自のスタイルを確立した日本人デザイナーの活躍を世界に向けて発信することです。
今回の展覧会のテーマは、ファッションが迎える新しい変化の局面について、様々な角度から振り返りながら「装う」ことについて考えるということ。
ファッションは「着る」だけでなく、「視る/視られる」ものです。特定の文化や社会、グループで通用するコードがあり、そこから駆け引きあるいはゲームにも似た自己と他者とのコミュニケーションが生まれています。インターネットとSNSの普及によって、誰もが自らの装いを自由に発信できるようになった現在、私たちとファッションのかかわり方もまた新しい局面を迎えています。
https://www.kci.or.jp/special/exhibitions2019/index.html
KCIには17世紀から現在までの服飾資料を1万3千点、文献資料を2万点とすごい資料の数を所蔵されています。その中にはコム・デ・ギャルソンからの寄贈品の他、クリスチャン・ディオール、シャネル、ルイ・ヴィトン等、世界的なメゾンからの寄贈品も保管されているそうですが、今回の展示はそれらに加えて服飾資料や美術館所蔵品などからも集めた展示となっています。
🌸00 裸で外を歩いてはいけない?
展示の1番最初にあるのは、ミケランジェロ・ピストレット《ぼろぎれのヴィーナス》(1967年 豊田市美術館所蔵)です。ヴィーナスはローマ神話に出て来る愛と美の女神。海から産まれたことで全裸で描かれることも多いヴィーナスですが、この作品のイメージの元になったと思われる彫刻「ミロのヴィーナス」は腰から下を布で巻いています。全裸で産まれたヴィーナス(ボッティチェリ)は次に腰に布を巻いたが(ミロのヴィーナス)、その布を脱いで今度は別の布(服)の前で次どれを身に付けるか迷っている…というもの。ものが溢れる現代社会への風刺とも取れますが、ユーモアあるアート作品ですよね。冒頭を飾るのは展覧会のテーマにぴったりな展示作品です。(写真撮影不可のため写真はありません)
🌸01 高貴な振る舞いをしなければならない?
京都服飾文化研究財団所蔵の『イノサン』『イノサン Rouge ルージュ』(坂本眞一)×男女の宮廷服です。
男性の宮廷服は、「スーツ(アビ・ア・ラ・フランセーズ)」1790年頃のもの。
「ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)」は1775-1779年(テキスタイル:1750-60年代)です。フランス革命が1789年〜1799年なので、ちょうどその直前頃ですね。宮廷服のような高貴な服を着るということは、高貴な振る舞いをする必要があるということ。
🌸漫画「イノサン」
「イノサン」とはフランス語のInnocent(英語で純真・無垢という意味)です。漫画家の坂本眞一氏により描かれた歴史漫画「イノサン」は集英社の週刊ヤングジャンプで2013年9号から2015年20号まで連載され、その続編「イノサンRouge(ルージュ)」は同社のグランドジャンプで2015年12号から2020年3号まで連載されました。舞台は18世紀フランスで国王ルイ十六世の斬首刑の指揮を執ったとされる実在の死刑執行人シャルル・アンリ・サンソンが主人公の作品。当時の宮廷服が美しく描かれています。とにかく画力がすごい。美しいです。
↓↓イノサン公式サイト↓↓