こんにちは、Linです🌸
膠原病というと皆さん、思い浮かべるのはリウマチやSLEかと思います。
あるいは患者数的にはシェーグレン症候群でしょうか?
急に疲れやすくなって頑張りが効かなくなったと思っていたら、膠原病の初期症状が出てきた私の実体験を書いてみたいと思います。
🌸母親が膠原病に…?「多発性筋炎」
うちの母親はとある産婦人科の受付事務をしていました。めちゃくちゃパワフルな人で、休みの日もよく動き回る人でした。
ある日、「なんか血液検査でCKの値が上がってきてね。内科のおじいちゃん先生も首を傾げて、もしかしたらEMSのやり過ぎかもしれないからしばらく控えるように言われたんやわ」と電話がかかってきました。
CKとは?
CKと言われても医療関係者じゃないとなかなかピンとこないと思うのでご説明しますと、
CK(クレアチンキナーゼ)とは、「筋肉が分解された時に出る物質」なんです。
ハードに体を鍛えるアスリートはこの数値が結構高くなることもあります。
だから電気刺激で筋肉を動かすダイエット機械のEMSが原因かと思ったんでしょうね。
心筋梗塞でもCKが上がりますが、心臓の症状や所見がなければそちらは否定されますし。
横紋筋融解症なら熱が出て血尿(ミオグロビン尿)が出るし…
けれどEMSでCKが2000とか四桁まで上がるなんて俄かに信じがたい…
通常であれば62~287 IU/L、女性:45~163 IU/L程度なので、2000だと基準値の10倍以上。
(看護roo!参照)クレアチンキナーゼ | 看護師の用語辞典 | 看護roo![カンゴルー]
私は東京で母親は地元の田舎住まいでしたから電話でしか状況を知ることがなかったんです。
筋肉が分解されて体が動かなく…
CK上昇は筋肉が分解されているからなんですが、徐々に洗濯を干す腕が上がりにくい、階段を登るのが辛い、という話が出てきました。
数ヶ月後には階段を這って登っている、車のアクセル操作で足先を動かすのも辛いが無理矢理仕事に行っていると…
これはさすがにおかしいですよね。
結局、近くの大学病院で膠原病と分かりました。
多発性筋炎
母親の診断名は「多発性筋炎」。
筋肉が落ちて動けなくなる自己免疫疾患でした。(難病情報センターのサイトでの説明はこちら)皮膚筋炎/多発性筋炎(指定難病50) – 難病情報センター
1ヶ月近く入院して、高用量ステロイドの点滴治療を行い退院しました。
ステロイドの副作用と言えばムーンフェイス、体重増加。人相が変わるほど顔がパンパンに丸くなっていました。
ステロイドの副作用には多毛もありますが母親は出なかったです。
内服でステロイドを続ける必要があったため今でも飲んでいますが、徐々に少ない維持量まで減りました。
足の浮腫みや睡眠障害、疲れやすさはあるものの再び動けるようになって良かったです。
また体重、顔はまだ丸味を帯びていますが、多少なりとも体重は元に戻ってはいます。
🌸レイノー現象
膠原病の初期症状が出てきた私の実体験、私の話に戻ります。
いつからか寒くなると指先が白く冷えて痺れや痛みが出てくることが出てきました。
ただの冷え性がひどくなったのではという考えより、「看護学校の授業でみたことのあるやつだ」と思い、自分でも怖くなりました。
第二関節より先が真っ白になるんですよ。
以前、医療療養病棟で働いていた時に血流の悪い脳梗塞後の患者さんの指先が真っ白くなっているのを時々見かけたのですが、あんな不自然な白い色なんです。
お湯で温めると比較的戻りやすいのですが、ひどい時は30分くらいずっとこの状態で、氷のように冷たくなるのです。
気温が20度を切ると出やすくなる印象。
また、冬場にコーヒーを飲んでも末梢血管が攣縮するらしく、レイノー現象が出てしまうのでコーヒーは控えるようになりました。
カフェインのせいかと思っていましたが紅茶ではレイノーが出ないので、何か別の成分なんでしょうか?
このレイノー現象、膠原病の初発症状で出ることが多い症状。
母親も膠原病なら、遺伝的になりやすさがあってもおかしくありません。
🌸更年期障害を疑ってみる
実際のところ疲れやすさ、のぼせなんかもあり…
更年期障害といえば50歳ごろなイメージですが、30代後半や40代そこそこでもプレ更年期みたいな症状が出る人もいるみたいなので、一応鑑別にと婦人科を受診。
採血の結果、女性ホルモンは問題なし…しかも筋腫が見つかって、若干ショック。
まあ女性には結構な頻度でできることがあるのですけれども。
レイノー現象が出ている時点で膠原病なんだと思うのですが、否定したい気持ちがあったから無駄に足掻いて終わった感が否めませんね。
そこの婦人科のドクターに、膠原病内科を調べてもらい受診することにしました。
🌸膠原病?
膠原病というのは、皮膚や内臓の結合組織(組織の間にある膠原線維からなる部分)や血管に炎症・変性を起こして臓器に炎症を起こす自己免疫疾患です。
採血結果では自己免疫疾患のマーカー上昇のほか、合併しやすい他の病気の可能性まで指摘されてしまいました。
疑いのある病気としてドクターから言われたのが、
①混合性結合組織病
②シェーグレン症候群
③リウマチ
関節リウマチ(RA) | 一般社団法人 日本リウマチ学会(JCR)
④橋本病
なんとまあ4つも…。
①〜③は膠原病、④は膠原病に合併しやすい甲状腺の病気(こちらも自己免疫疾患)です。
ただ血液検査のみの、この時点ではあくまで疑い。あくまで陽性だけで確定診断はできません。
リウマチの所見がないかMRI(手)、橋本病の所見がないか甲状腺エコーの検査も受けましたが、この時点で治療の対象となるメインの所見なし。
診断がついていないのですがレイノー現象が出ているのと血液検査の結果から、発症するのはおそらく確実、しかしそれが数ヶ月先になるのか数年先になるのかわかりませんと専門医の先生からは言われました。
その当時、レイノー現象が辛かったので、ドルナーというお薬を処方してもらいましたが、ひどい下痢になって中断しました。(副作用ではないと思うけどわからない)
そしてリウマチの可能性も??
確かに手指関節が痛い時もあったし、おむつ交換中に突然右手の小指が痛みだし、レントゲン上は何もないのに固定しないといけない疼痛、その後ばね指になるという現象があったりしてました。
(治るのに1ヶ月かかりました)
🌸間質性肺炎?!
膠原病の初期症状が出てきた私の実体験の中に間質性肺炎がなぜ?と思われるかもしれませんが…この疾患が見つかったおかげで大学病院受診の運びとなりました。
レイノー現象が出始めた頃に働いていた病棟は認知症の病棟で、心身ともに疲労とストレスを抱えておりました。
そこで身体の状態を悪化させたくなかった私は異動願いを出しました。
2階の病棟から3階の病棟に異動したのですが、なんと病棟に上がり切る前に息切れと動悸で一旦休憩を挟まないといけなかったのです。
職員健診で指摘されていた息切れ
夜勤従事者が行う半年に一度の職員健診のレントゲンには「息切れ注意」と内科医のコメントがついていました。
しかし昔、結構タバコを吸っていたのもあったので気にも留めていませんでした。
そんな折、コロナの流行が発生。
念のためと肺CTを撮る機会があったのですが、「間質性肺炎」が見つかりました。
間質性肺炎といえば5年後の生存率が非常に低い、致死率の高い病気です。
日本呼吸器学会「特発性間質性肺炎」
私のCT画像で、背中側の白くなっている肺部分が病変部位。
受け入れられずパニックになっていたところ、「もしかすると膠原病によるものではないか」と知り合いからの指摘がありました。
膠原病から合併して発症する間質性肺炎は膠原病治療のステロイドに良く反応し、予後は悪くありません。
ちなみに肺のCTには甲状腺が写り込んでいて、その甲状腺には嚢胞なのか何か影のようなものが…。
検査技師さんからは悪いものではなさそうということでしたが、おそらく一度大学病院のようなところで全身を評価してもらう方が良さそうですね、と言われました。
🌸大学病院受診と検査
膠原病は難病カテゴリーのものも多く、医療機関でも得意不得意がありそうな印象。
悩んだ末に受診先をK病院に決めました。
呼吸機能検査
間質性肺炎は初期の膠原病肺で、呼吸器の検査を行うことに。
結果、画像上はそこまででもなさそうなのに、呼吸機能は90%を切っているという結果でした。
主治医の先生的にはステロイド治療をあまり若いうちに開始すると長期使用の弊害が怖い。
しかし治療すると楽にはなるし…と、治療導入のタイミングに悩むといった状態。
確かに私も躊躇します…
この治療の内容は、母親が受けた高容量ステロイドの点滴の治療と同じで、約1ヶ月の入院となります。
ひとまず数カ月おきの検査で経過観察となりました。
甲状腺についてはK病院では特に指摘がなかったので、内分泌の別のクリニックを受診することに。(こちらはまた別の機会に書きます)
肺以外の検査色々
MCTD(混合性結合組織病)で怖いのは肺高血圧症という合併症です。致死的な病態を呈するので注意が必要…というわけで心臓エコー検査も。こちらは今の所問題なし。
シェーグレンの診断のため、眼科ではシルマー試験という涙の量を見る検査、口腔外科では唾液の量を調べる検査を。
シルマー試験とは、下まぶたにろ紙を挟んで、5分の間にろ紙が涙で濡れる長さで涙の量を測ります。(正常な場合:10mm以上、涙の量が少ない:5mm以下)
参照:看護roo!「シルマーテスト」https://www.kango-roo.com/word/21285
シルマー検査ではやはり涙の量が低下しておりました。
だ液量の検査では、私の唾液の量は正常範囲。診断基準を満たさないため、口腔内組織の採取をすることに。
通常は採血結果が出ていれば、涙の量低下もしくは唾液量の低下どちらかあればシェーグレンの診断がつくのですが、きっちり調べたかったのです。
この組織検査は、口腔内を切る小さなオペです。ぴえん…痛そう…
検査結果ではレベル4が最重度ということですが、どうもⅣだったようです。シェーグレン症候群は診断がついてしまいました…。
確かに唾液の出にくい時がある…
うがい薬・アズレン
一応、「アズレン」という含嗽薬が処方されました。青い粉のうがい薬なのですが、塩っぱい味がする時としない時があります。
シェーグレンの症状で、味がわからなくなるというのもあるからかな。波があるようなので体調によるのかもしれません。
唾液が出にくいということは消化器の働きも落ちてるのでしょうね。
胃がもたれやすいとか量が食べずらい感じも少しあります。
🌸膠原病になりやすい性格?
医療的なエビデンスがある話とはちょっと違うのですが、膠原病になりやすい性格というものがあるようです。
なんでも自分で抱え込んでしまうというものらしいのですが、母親も私もその傾向があります。
なので自分で全部やろうとしない、頑張りすぎない、6割〜7割ぐらいの働き方をする、という生活にしようと思いました。
自分でたくさんのことを抱え込んでしまうことで、悪化(症状が出てくる等)を早めたくないと思ったからです。
と言っても生き癖なのでなかなかうまくいかないところはありますが、意識するのとしないのでは大違いかなと。
ゆるく生きるというのを大事にしていきたいと思いました。
膠原病の初期症状が出てきた私の実体験を色々と書き連ねてみました。
難病なのでわからないことがたくさんあると思いますが、この体験記が誰かの参考になりますように。
Lin🌸