東京で世界を食べ歩く、今回はロシア料理です。
東京大神宮(飯田橋)に古札返納に行った後、どこでランチしようか迷っていたところ、
食べログで「ウクライナの白いビーフストロガノフが食べられるお店」と書かれていた「ろしあ亭」さん(神保町)を見つけたので行ってみた次第です。
🌸ろしあ亭
神保町に着いたのはまだ11:30にもならない時間。ろしあ亭さんに向かう途中、往年の名店「さぼうる」さんに並ぶ行列を見てしまい気がとおくなりました。
神保町といえばカレーの有名店が多数あるのでカレーもいいかなと思ったのですが混んだ店も行列もちょっと辛い。
なんだってこんなに並んでいるんだろう。(待てない)
お店には開店とほぼ同時に入りました。細長い鰻床みたいな作りのお店で、他にいたのは女性客が1人。テーブル席が店の奥に向かって縦に並んでいます。
ここにきて気づいたのですが、ろしあ亭さん、実は餃子の名店スヰートポーヅさん(2020年6月にコロナの影響で閉店)の隣にあるお店でした。
スヰートポーヅさん、いつか行きたいとチェックしていたのに、緊急事態宣言の後に閉店してたんだ…(ショック)
私は知らなかったのですが、ろしあ亭さんは開店して26年〜27年ほどの老舗。
お店の方がロシア人の女性なのですが、接客が塩対応なので好き嫌いが分かれるかもしれません。(個人的には全然平気)
🌸ロシア料理とは
ロシア料理というと保存食を多用した煮込み料理、オーブンを使ったあぶり焼き料理、スープといった素朴なお料理が多いです。
ボルシチはウクライナ発祥ですし、白いビーフストロガノフもウクライナ寄りのロシア料理なので、少しウクライナについて調べてみました。
ウクライナってどこにあるの?
ウクライナってどこにあるかご存知でしょうか?
東から北にかけてロシアと接し、反時計回りにベラルーシ、ポーランド、スロバキア、ハンガリー、ルーマニア、南は黒海に接しています。
人口のうちウクライナ人は8割、ロシア人は2割。言語の7割はウクライナ語、3割はロシア語です。(公用語はウクライナ語)
内陸は温暖な大陸性気候、クリミア半島南岸は地中海性気候に近いです。
ランチセットからメニューを選ぶ
さてさて。ランチセットはいくつか種類があり、どれにするか迷う…
すると、「グリアーシ」メニューに目がいきまして。あれ、これってもしかして…
グヤーシュ??
前述しましたがウクライナの西側にはハンガリー。ハンガリーといえばハンガリー国民食のグヤーシュ。私の大好物です。(↓の記事のアイキャッチ画像がそれ)
…というか、
世界一美味しい豚肉料理?
豚肉になってる🤔
ハンガリーのグヤーシュは牛肉なのですが、国境を超えて豚肉料理に変化してるんですね。
後で調べてみると、グリャーシュはスラブの豚肉煮込みのよう。
めちゃくちゃ気になったんですけど、ここは初志貫徹してビーフストロガノフを注文することに。
ランチセットB(1100円)
ロシアのパン
ランチセットの最初に出てくるのがこちら。パンとサラダです。
ロシアといえばの酸っぱい黒パン(Чёрный хлеб)はたっぷりのライ麦、イーストの代わりにサワードウ使用しているため少し重くて酸味があるのですが、
出てきたライ麦パンは日本仕様なのかライ麦比率が低く、ロシアの黒パンのように(ライ麦率100%みたいに)黒くはないです。
このライ麦パン、バター乗ってますけど冷たくてボソボソしてます。丸いパンは硬くて引きがつよいですね。THE 強力粉って雰囲気。
どちらも単体で食べるのではなく、スープ系のお料理につけて食べるのが良さそう。
ロシアのサラダ:クヴァーシナヤ・カプースタ квашеная капуста
こちらは、ドイツで言うところのザワークラウト、フランス語ではシュークルト。発酵塩キャベツのサラダ(ピクルス?)
クヴァーシナヤ(クヴァシェンナヤ)・カプースタ(квашеная капуста)
レシピを簡単に書くと、千切りにしたキャベツとにんじんに塩を振りかけながら混ぜ、水が出てきたら水を切って重石を置いておくだけ。
1日に1回は混ぜないと発酵に失敗するのと、醗酵するのに16℃〜20℃で調整しておく必要があるくらい。3日くらいで完成。
ディルが散らしてあるのが良いですね。ザワークラウトというとハンガリー料理でもたくさん出てくるのですが、(さすが隣国、食文化が近いです)
ザワークラウトを肉と一緒に煮込んだセーケイカーポスタや、ロールキャベツ(トルトットカーポスタ)に出てきたりしてシンプルながらも大活躍のお料理です。
ボルシチ(борщ)
ウクライナ発祥の伝統料理ボルシチ(борщ)は、世界の3大スープの一つと呼ばれているお料理です。
スヴョークラ(テーブルビート)という、赤い蕪のような姿をした野菜の「赤」が美しい一皿。
テーブルビートはにんじんやスイートコーンよりも糖分を含む最も甘い野菜の一つで、ビタミンCが多いということと、
性ホルモンの合成に必要なホウ素を多く含むため古代ローマでは催淫効果があるとされてきました。
スープの具には、牛のスネ肉、キャベツ、ジャガイモ、トマト、セロリなど。
現地では、ニンニクソースをかけたパンプーシュカ(Пампушка)という丸くふかふかした揚げパンが一緒に供されることが多いそうです。
お味はさらさらっとしたスープで軽い酸味があり、優しいお味。上に乗ったスメタナ(サワークリームの一種)でマイルドなコクが出るのですが
これを混ぜると綺麗なピンク色になって可愛いです。(女子ウケ)
ビーフストロガノフ бефстроганов
帝政ロシア時代、ウクライナの白いビーフストロガノフ(бефстроганов)です。
この白いクリームは、チーズみたいに濃厚。スメタナをたっぷり使用していますが塩気が控えめなので濃厚ではあるものの、舌触りが優しくなかなか美味しいです。
こちらもディルが散らしてあって、良い感じですね。
スメタナ(smetana、сметана)というのはサワークリームの一種でクリームを乳酸発酵させた乳製品。
ボルシチやペリメニ(ロシアの水餃子)にも合わせて食べられることが多く
日本ではスメタナを手に入れることは難しいのですが、水切りヨーグルトに生クリームを合わせると比較的味が近いものになると言われています。
ライスにはグレーチカという玄蕎麦(蕎麦の実)が混ぜてあり、これがまた良いですね。ロシアの食文化に触れる食体験、良きです。
(ちなみに蕎麦アレルギーの人にはサフランライスを出してくれるそうです)
ビーフストロガノフの具は牛を細切れにしたもの、ピーマン、玉ねぎ、マッシュルームなど。
コッテリした雰囲気ではあるものの量がそこまで多くないので、さらっと食べられます。
デザート:ヨーグルトのムース
ヨーグルトムースは程よい甘さで甘すぎず、舌触りもふわっと口に溶けて良い感じ。
ロシア人は酸味が好きなのかわかりませんけど、酸味のあるスイーツで〆。
アルコールをたくさん摂取する人は糖の代謝で脳のエネルギーを得るのが難しくなるので代わりに酢を摂取すると頭がスッキリすることから
酒好きの人は漬物やポン酢といった酸味を好むという話を昔どこかで読んだのを思い出します。
…実際に関係あるのかは専門外なのでわからないんですが…(教えて詳しい人)
またしても今回、1人ランチだったため、ピロシキや壷焼き、グリヤーシといった魅惑的メニューが全然食べられず…
そのうちリベンジしにいかないとな…とワクワクしながらお店を出ました。
ロシア料理も美味しいですね〜!