Linです🌸
2019年に東京都美術館(上野)で「クリムト展」(4/23~7/10)とほぼ同時期から開催していた展覧会、
「ウィーン・モダン クリムトとシーレ、世紀末への道」展(国立新美術館・六本木)(4/24〜8/5)に行った時の記事です。
少し古い話ですが、備忘録に旧ブログ記事をリライトして書いています。
🌸「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」展
まずは、「ウィーン・モダン クリムトとシーレ、世紀末への道」展(国立新美術館・六本木)(4/24〜8/5)から。
チケット売り場で並ぶ雰囲気でもなく、人に揉まれる混雑ではなかったです(平日昼の情報)
美術展の構成
世紀末芸術
1840年頃から100年程の間、特に19世紀末から20世紀の初頭は近代化の波とともに、ウィーンの絵画、建築、デザインなどは新しい芸術を求めてウィーン独自の装飾的文化が花開いた時代です。
展示会では王宮やリングシュトラッセ(リンク大通り)の発展などがフォーカスされており展示の前半はどちらかというと博物館寄りな雰囲気。
とにかく幅広い展示内容で、点数も多数!
展示点数の多い(見応えのある)美術展で失敗しがちなこと
美術展に限らず文化系展示会場に入ると多くの方がついやりがちな失敗があるのですが、この展示でうっかり私もやってしまったことがあります。
始めの方の展示で歩み遅く長いこと見入ってしまい、奥の話題作あたりでは力尽きてじっくり見る感じじゃなくなっているという…
ペース配分は大事ですね(泣)
絵画
グスタフ・クリムトの「パラス・アテナ」(1898年)、エゴン・シーレ「美術批評家アルトゥール・レスラーの肖像」(1910年)や「ひまわり」(1090〜1910年)という目玉展示を筆頭に、マクシミリアン・クルツヴァイル「黄色いドレスの女性(画家の妻)」(1899年)など。
エゴンシーレは油彩含め18点ほど展示があり「ひまわり」など生で観ることが初めてだったのでかなりテンションが上がりました。表現の仕方がとてもカッコイイですね。
絵画の点数は若干少なめの配分かなという感じでしたが、小粒の作品で点数がやたら多い展示より構成が私は好きかも。
エゴン・シーレ ドローイング 水彩画作品集 [ ジェーン・カリアー ]
建築
オットー・ヴァーグナー「美術アカデミー記念ホール:模型」「マジョリカ・ハウスの陶器製ファサード」など、
建築関係の展示を見ていると世紀末ウィーンらしい装飾的建築デザインに、ホウとため息が出ます。
オットー・ワーグナー建築作品集 [ オットー・ヴァーグナー ]
工芸作品
プレス成型された銀で出来たフランツ・ヴァルネーファー「髭剃り用洗面器」(1821年ごろ)
白にラッカー塗装された鉄板を使用したヨーゼフ・ホフマンの「テーブルセンターピース」(1904年)、「花瓶」(1905年)など
ウィーン・ミュージアム所蔵品が色々。
ダゴベルト・ベッヒェの「ティーセット」(1922〜1923年)象牙と、エンボス加工された銀を使用した豪奢な銀食器も。
キッチン用品の他にも100年前とは思えないほどのモダンなデザインの椅子やテーブルなど、興奮の嵐でした。
(個人的にコロマン・モーザーのインテリア作品、好きなのでリプロダクティブ製品探したけどヨーゼフ・ホフマンのソファが出てきちゃいました)
ファッション
コットンジャージー、シルクタフタ、オーガンザで製作された白い「エミーリエフレーゲのドレス」そのものの他にも、
リトグラフによるメラ・ケーラー「ファッション」(ウィーン工房ポストカード・1910年)、ヨーゼフ・ホフマン「ベルトのバックル」(1910年)といったファッション作品も色々。
コロマン モーザー【KolomanMoser】 ポスター アート ポスター November
グラフィックデザイン
オスカー・ココシュカの挿絵、クリムトらが起こしたウィーン分離派の雑誌、ポスターや、
ベルトルト・レフラーの「クンストシャウ展」のポスターといったリトグラフによるグラフィックデザイン点数も多数。
今見ても面白いデザインで、テンションめっちゃ上がる!
純粋に油彩などの絵画のみではなく文化的背景などもまるごと楽しめる展示で、素敵でした!
美術展のスペシャル企画
「エミーリエ・フレーゲの肖像」
目玉となる作品の1つ、クリムトの「エミーリエ・フレーゲの肖像」(1902)
エミーリエ・フレーゲといえば、クリムトの数多くいた愛人の中で最も著名な愛人。
そして、なんとこちらの作品、写真撮影がokなんです。
(日本の美術館は写真撮影が禁止されているのが殆どなのでとても貴重です)
また、こちらの展覧会、クリムトの作品に関しては展示や照明の当て方にも工夫されており
下から照らしていたり間接照明っぽい雰囲気だったりムードにこだわっていて、そういうこだわりが素敵!
上野で開催していたクリムト展が過去のクリムト展の中で史上最多の絵画数との触れ込みだったため、そんなにクリムトの作品枚数ないかと思ってましたが、意外にありました。
クリムト作品の女性ドレス再現?
「エミーリエ・フレーゲの肖像」のドレス
さてさて、こちらは文化服装学院の学生さんが絵から再現したクリムト「エミーリエ・フレーゲの肖像」のドレス。
「エミーリエ・フレーゲのドレス」からのインスピレーション作品
こちらは文化服装学院の学生さんが「エミーリエ・フレーゲのドレス」にインスピレーションを得て作成したドレス。
柄のパターンがクリムトらしく、とても可愛い☺
2008年に再製作された「エミーリエ・フレーゲのドレス」(もとは1909年制作)
はクリーム色の無地のドレスなのですが、このインスパイアドレスもとても綺麗です。
そしてこんな顔ハメが!!
まさかの顔ハメ(笑)
美術展の壁にあるバーコードの読み取りで、顔ハメアプリ画面がダウンロードできるのでそこに友達の顔をカメラで狙ってハメこむとなかなか良い写真が出来るという企画☺
これ楽しーい!!
図録について
ちなみに私が購入したミニ図録だと小さい上に全作品が載っていないため、通常盤の図録買えばよかったな〜なんてあとで後悔。。
ちょっとアマゾンで検索したところ、ちょっとびっくりしたことが。
検索の結果は中古しかなく、1万円のものがヒット。プレミアついてるのね👀
ついでに楽天見てみよう。
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あらー。楽天で検索すると22000円のものが出てきた…プレミア…
かなり良い展覧会だったので、やっぱり通常盤買っておけば良かったかなあ。
前売り券の特殊な企画チケット
美術館でも美術展の後でもウィーン満喫でとても楽しかったのですが、前売り券の特殊な企画チケットについても少し。
エミーリエのドレスをイメージしたブレスレットがセットになったチケットがあったんですね。しかもオーストリア生まれのスワロフスキー社製クリスタル付き。
他にもエミーリエ・フレーゲの肖像モチーフをあしらったパッケージ入り、ウィーンの老舗洋菓子店デメルの「ショコラーデントルテ」がセットになったチケットも。
私は通常のチケットで行ったのですが、いやはや最近の美術展の企画はなかなか楽しませてくれます♪
ウィーン・モダン展(公式サイトはこちら)
🌸ウイーン紅茶カフェ「デンメアティーハウス」(DEMMERS TEEHAUS)
六本木の国立新美術館の近くには、ウィーン紅茶のカフェ「デンメア ティーハウス」(DEMMERS TEEHAUS)があります。
ウィーン・モダン展のあとですから、ウィーン気分を味わうのも良きかな。というわけで、やってまいりました。
こちらのお店は本店がウィーンにあり、ヨーロッパで絶大な人気を誇る紅茶ブランドでもあります。日本支店でも茶葉の種類も常時100を超えているなどかなり豊富な品揃え。
もちろん紅茶のお供にはウィーンで有名なチョコレートケーキのザッハトルテ(Sachertorte)、元はウィーンのホテル・ザッハーの名物菓子です。
チョコレート味のバターケーキに杏ジャムを塗ったり挟んだりしたあと、チョコレート入りのフォンダンでコーティングしたケーキです。
うん。甘い〜。
デンメアティーハウス(公式サイトはこちら)
関連ランキング:カフェ | 六本木駅、乃木坂駅、六本木一丁目駅
オーストリア隣国のハンガリーのレストランがとても良かったので、興味のある方はこちらの記事をどうぞ〜
🌸クリムト展
グスタフ・クリムトといえば、耽美かつ装飾的、幻想的、エロティックな作風で、好きな人はかなり好きな画風。
東京都美術館(上野)「クリムト展」(4/23~7/10)
クリムト展の企画チケット「プレミアムナイト鑑賞券」
ものすっごい魅力的な企画チケットが「クリムト展」にはあったんです。その名も「プレミアムナイト鑑賞券」
夜間(18:00~20:30)に人数限定(各日400名)でクリムト展を鑑賞できるうえに、
「公式図録、音声ガイドに加え、ウィーンの老舗ワイナリー、シュルンベルガー醸造から輸入したクリムト・ラベルのスパークリングワイン「キュヴェ・クリムト」ミニボトル(200ml)のお土産つき。
また、クリムトがウィーンの分離派会館に描いた壁画《ベートーヴェン・フリーズ》(原寸大複製)を、写真撮影していただける時間も設けます。ぜいたくな夜をお過ごしください。」(公式HPより)ですって!!!素敵!!!
販売時期は2018年11月10日の朝10時から、各開催日(5月に2日、6月に1日の計3日間)の前日まで販売とのこと。
「前日まで販売って、そんなことある??絶対売り切れちゃうよ!!」
…と思っていたら、案の定、受け付け開始後10分で3日間とも完売。笑うしかない。
混雑度
こんなにあっという間に企画チケット完売なんて、実際行ったら混雑度MAXなのでは…しかもこれ会期がGW入ってるよね…どうしよう…
と、思っていたのですが、ちょうど母親がGWに東京に遊びに来る予定があり、「行きたい!!」などと言うもんですから結局GWに行ったんです。
行ったら意外と入場まで1時間は並ばなかったという(レオナール藤田の最終日のが待ちが長かった)
展覧会・展示内容について
で、展覧会・展示内容ですが、さすが過去最大級のクリムト展。
「ユディトI」ほか、名作はもちろん、全長34mの原寸大複製「ベートーヴェンフリーズ」(壁画)が!
実物は持ってこれないので仕方ない(温度管理のできる地下室で保存されている)のですが、見上げながらぐるっと見て回るのはなかなか素敵でした。
ちなみに。私が今回の展示で好きだったのは「医学」のための習作」(美術展で購入したグッズの写真です)
「医学」は、ウィーン大学の依頼で描いた絵画なのですが、絵の内容がテーマにそっていない(適切ではない)と言われて採用されなかった作品です。
第2次世界大戦で焼失したらしい(白黒の写真のみ展示されていた)のですが、わたしは「習作」の方が好みでした。
欲を言えば、絵がメインの展覧会なので、もう少しだけ油絵の展示があるともっと良かったな(貪欲)
クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代 [ ロレンツォ・リケルミー ]
オススメの画集
展覧会は撮影禁止だったので写真が何もないのです。まあ、仕方ないと言えば仕方ないのですが。
そこで展覧会を見終わった後も浸れるように「別冊太陽」のクリムトの絵をみて感嘆しております。笑
⇓ 平凡社出版 別冊太陽「クリムトとシーレ」
掲載点数も多く、発色もなかなか。オススメ👀✨
Lin🌸