こんにちは、Linです🌸
友人達とエスニックな料理を食べに行く会を時々開催しているのですが今回は激辛が食べたいという友人の強い希望で世界一唐辛子を食べる国ブータンの料理を食べに行くことにしたわけです。
お店は代々木上原にあるブータン料理「ガテモタブン」。世界一唐辛子を食べるブータン料理は世界一辛いのか?
Linは5年半ぶりのガテモタブンだったのですが、とにかく料理の具材が唐辛子ばかりで、ヒイヒイ言って食べた記憶があり・・おそるおそる再訪することにしたわけです。
ところで・・「ブータン料理」と聞いて、パッとどんな料理か分かる方はそう多くはないのではないでしょうか。むしろ、なんとなくの場所もなんだかよくわからない。その気持ち分かります。
🌸「ブータン」ってどこにあるの?
ブータンはヒマラヤ山脈の東端、インドと中国の間にある小さな国。
面積は日本より小さいのですが、標高7000m級の山から標高100mの地域を含む高低差の激しい国土です。なのでツンドラ気候の高山エリアと、モンスーン気候の亜熱帯エリアがあります。
道は悪路が多いため電車はなく、車やバスの移動。崖から転落する事が多く、シートベルトをしない方が命が助かりやすいのでシートベルト着用は必須ではないそうです。びっくり👀
(ちなみにバックパッカーの入国は原則禁止されており、観光客の受け入れはツアーのみ行われているようです)
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🌸ブータン料理とは?
米が主食で、唐辛子と乳製品(バター、チーズ)が常食されています。米は赤米が中心ですがパロ米(日本米)や黒米も食べたりするよう。
蕎麦(プタ)を栽培していたり納豆(リビイッパ)もあったりするので、なんとなく親近感。魚を釣って食べる文化はなく、これは海がないからというだけではなく川に遺灰を流すので魚を食べる習慣がないとか。
もし魚を食べる時は釣らずに外から買ってくるという話も。
ちなみに食用される肉は牛、豚、ヤク肉。干し肉のメニューもあり、ネパール料理屋さんやチベット料理屋さんで見られるスクティ(干し肉の香辛料炒め揚げ)を彷彿とさせます。
料理の調味料は山椒と塩。出汁や醤油みたいなソースはありません。
唐辛子、チーズ、ハーブ、発酵させた米や大豆、スパイスなどを混ぜた「エゼ(Aezey)」という激辛系調味料もあり、ごはんにつけて食べたりもするそう。
線引きをはっきり確定することが難しい状況が続く国境ですが中華人民共和国チベット自治区に面しており、食、宗教など文化における影響は大きいようです。
🌸唐辛子のチーズ煮「エマ・ダツィ」
ブータン料理の代表的な料理は、「エマ・ダツィ」(900円、2019年時点)
これはメインの具材が唐辛子(エマ)の、チーズ煮込み(ダツィ)。少量の水とチーズに、火にかけたフレッシュな唐辛子をたくさん煮込んだシンプルな野菜料理です。
(ブータンでは唐辛子は野菜というカテゴリー)お好みでニンニクやトマトを入れたりするそう。ブータンではこの料理が好きで1日3食たべるという人もいるらしいです。
唐辛子から出る水分もありますがそもそも調理に入れる水が少量なのでチーズの風味が濃厚。塩分も強いため、たっぷりの米に合わせていただきます。
実は前回来店時はヒーヒー言いながら食べたのですが、今回のエマ・ダツィはあまり辛くなかったんですよ。唐辛子があまり辛くない・・これって
- 唐辛子の種類が違うのか?
- それとも時期が違うのか?
と思ったのですが、青唐辛子のシーズンは7月~10月。出始めの頃(7月)はみずみずしいので辛くないのも納得ですが、10月・・なぜ?と色々調べていたところ、
唐辛子を育てる際に、水や養分をたっぷりあげてしまうと辛くない唐辛子になってしまうそうです。水分と栄養が足りない状況でストレスがかかった唐辛子は辛いんですって。興味深い。
確かに今回の食事で食べた唐辛子はみずみずしかった・・野菜的な旨味の方が印象的だったかも・・いやもちろん辛みもありましたが。
そういえば青唐辛子は熱を加えると甘みが出て、赤唐辛子は辛さが強く出るという情報も。
ちなみに前回食べにき、おやすみたのは春先で、赤い唐辛子も結構入っていたのですが、10月のこの日は青い唐辛子オンリーでした。
メニューには「フレッシュな唐辛子が採れない時期にはブータンから取り寄せた乾燥の赤唐辛子を使用したりする」といったことが書かれていましたが、前回(5年半前)来た時の赤い唐辛子はフレッシュだったような?
ちなみにメイン具材が唐辛子だけだとちょっと抵抗のあるかたには「ケワダツィ」(900円、2019年時点)というじゃがいも(ケワ)の「ダツィ」(チーズ煮込み)もあります。
唐辛子も入ってますが控えめなのと、じゃがいものホクホク感で辛みが和らげられているので辛いの苦手な方にオススメ。
🌸蒸し餃子「モモ」
ネパール料理屋さんでよく見る蒸し餃子です。小麦粉を水で捏ねて薄くのばした皮に肉とスパイスを包んで蒸したもの。ネパールでは水牛の肉を使ったりします。
(ネパールでは蒸しだけでなく揚げたりチリソースで和えたりとバラエティ豊かですが、元々はチベット料理のようです。)
ブータンでは蒸したモモに冒頭で前述した「エヅェ」(エゼ)をつけて食べます。
ガテモタブンのモモの具は、豚のひき肉と玉ねぎ。エヅェは粉末唐辛子と玉葱を炒めたもの。皮から手作りとのことで、プリッとした皮の中から、旨味のある肉汁と餡が出てきます。
(640円、2019年時点)具がチーズとキャベツのチーズモモ(840円、2019年時点)のエヅェもスペシャルバージョンでカッテージチーズが入っているそう。
🌸「干し肉のパクシャパ」
「パクシャ」は豚肉、「パ」は塊を表すそうです。
パクシャパは豚肉、大根、唐辛子を煮て炒めた、こちらもブータンの代表料理。(1100円、2019年時点)
とにかく唐辛子、唐辛子な料理のオンパレードですね。さすが、世界一唐辛子を食べる国です。
干し肉が苦手な人には豚バラで作りますとメニューに書いてありますが、干し肉にすると生の肉とは違う旨味が出てくるので断然私は干し肉推奨派。
干し肉って硬くて辛いようなイメージですが、こちらの干し肉は硬さはあってもちゃんと噛み切れるし、逆に食感が楽しめる塩梅です。
玉ねぎの甘みが良い仕事しており、つい箸が進みます。
🌸チーズと山椒のサラダ「ホゲ」
意外にも結構辛いサラダ、そして後を引く味。
「ホゲ」(850円、2019年時点)唐辛子と、山椒のスーとして痺れる辛さってチーズに合うんですね。パクチーが良いバランスで入ってるのも、なかなかツボでした。
具は胡瓜、カブ、トマト、赤玉葱など。これはちょっと家で作ってみたいかも。
🌸 薬膳茶「ツェリンマ茶」
ブータンのお茶といえばバター茶の「スジャ」、チベットでもよく飲まれているようです。茶葉を煮出した後に塩とバターを入れて撹拌したもので、お茶というよりスープみたいな飲み物だそう。
少しさっぱりと飲めるドリンクが飲みたかったので、わたしがオーダーしたのはこちらの「ツェリンマ茶」(600円、2019年時点)。
ブータンのお医者さんが作ったという紅花とシナモンのハーブティーです。お茶の色は黄色く、シナモンの香りがふわっとして、軽い飲み心地。
ツェリンマは長寿の神様の名前だそうで、長生き茶(ロングライフティー)とも呼ばれているそう。ブータンの伝統医学院が中心となって販売しているようです。
チベット医学の書、四部医典(ギュー・シ)には「紅花は、肝臓の病を全て癒し、脈口を締める」と書かれているようです。
ちょっと調べたところ、脈口が何かよく分からなかったんですが、東洋医学で脈診(脈を触れると健康状態が分かる)というのがあるので、そういった方面に基礎知識のある方にはピンとくるのかもしれないですね。
ちなみに日本では末摘花(すえつむはな)と呼ばれる黄色い花。血行促進作用があるので漢方にも使われています。薬膳系は奥が深そうですね。
世界一唐辛子を食べるブータン料理は世界一辛いのかどうか、現地で味わってないのでなんとも言えないのですが、
今回のガテモタブン、全体的に辛さは軽めでしたが連れて行った友人達から美味しいとお褒めの言葉をいただきました。辛さに唸らせたかったのは叶わなかったけど、お味にはわたしも満足😊
以上、ガテモタブンでいただいた世界一唐辛子を食べる国、ブータン料理レポでした。
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Lin🌸