クルド家庭料理を食べに行ってみた。レポ「メソポタミア」@東京・十条駅

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東京で世界を食べあるくシリーズ、今回は気になっていたけどなかなか食べに行く機会がなかったクルド家庭料理です。

「メソポタミア」というお店(東京・十条)にお邪魔しました。

行ったのが友達のゆきこさんと2人だったのと、時間もランチタイムだったのであまり品数を食べれなかったのですが、クルド家庭料理ランチを食べに行ってみた(珍しいメニューに舌鼓を打ってきました)のでレポしますね。

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🌸クルド人ってどこに住む人達?

クルド人が住むとされている大まかなエリア
(Google地図へオレンジに着色したエリア)
.クルド人が住むとされている大まかなエリア
(Google地図へオレンジに着色したエリア)

「クルディスタン」と呼ばれるエリアがあります。クルド人が住んでいるとされる主なエリアの呼称で、地域的にはイラン、イラク、シリア、トルコに広がっています。

クルド人は独立国家を持っていませんが、世界に2500万〜3000万人いると言われており国家を持たない最大の民族とも言われています。

国家を持たないこともあり世界の各国に散らばっていますが、少数民族のため迫害を受けてきた過去があります。

そして現在も難民として世界に逃れている人が多くいます

日本でも約二千人の在日クルド人が住んでいますが、その6割は埼玉県蕨駅(わらび駅)に住んで居る(千人以上)ため、「ワラビスタン」と呼ばれています。

なぜ蕨駅なのかというと、これは30年ほど前から外国人労働者の雇入をしていた町工場が川口にあったためと考えられます。

↓↓日本で難民として認定されるのは世界の社会情勢的な問題があるようでなかなか難しいそうですが…詳しい歴史などは朝日新聞さんの記事でまとめられているので興味のある方は是非↓↓

クルド、国なき3000万人 歴史と現状オールまとめ:朝日新聞デジタル
中東のニュースでその名を聞くことの多いクルド人。「国を持たない最大の民族」とも呼ばれる彼ら彼女らは、どんな人びとなのか。国家の思惑に翻弄されてきた歴史をひもときながら、現状を詳しく解説する。

さて、そんなクルドの料理はどういうものなのか?

これはクルド人が住んでいる地域によってかなり食文化が変わってくるため、「クルド料理といえばこれ」ということは言いにくいようです。

とはいうものの、こちらのクルド家庭料理「メソポタミア」さんのメニューを見ていると、ケバブがたくさん載っていたりするので、

場所的にジョージアにも近いですが、やはり位置しているトルコ・アラブ寄りの中東系料理文化なのかなという印象です。

メソポタミアさんのメニューにあるケバブは羊のモモ肉(シシケバブ)、羊の挽肉(キーマケバブ)、鶏肉(ケバブ・ミルシュク)の他、

羊の心臓(ケバブ・デル、2020年当時1500円)なんて珍しいものまで。値段もシシケバブやミルシュクと同じです。

ちなみにトルコは豆をよく使うがクルドは野菜をよく使い、アラブほど油を使わないという違いがあるんだとか。

なるほど、よりヘルシーな雰囲気がありますね。

🌸クルド家庭料理・手芸カフェ「メソポタミア」

クルド家庭料理「メソポタミア」入り口
クルド家庭料理「メソポタミア」入り口

在日クルド人であるファーティマさんが作る家庭料理や伝統的な手芸作品の販売をしているお店がこちら「メソポタミア」です。

雑誌のBRUTUS(ブルータス)にも「ニホン世界一周メシ」(松尾スズキさんの記事)で掲載されたそう。

関連ランキング:西アジア料理(その他) | 十条駅東十条駅

歴史の授業で習ったと思うのですが、チグリスとユーフラテス川で挟まれた肥沃な土地エリアをギリシア人は「メソポタミア」と呼びました。

その上流にある山岳地帯にクルド人は数千年前から住んでおり、シュメール、ペルシャ、アラブ、トルコの影響を受けた独自の文化を育んできたと言います。

(ちなみにクルド語はペルシャ語系で、ペルシャは現在のイランを表すヨーロッパ側の古名です。)

クルド家庭料理「メソポタミア」内装

それでは、私Linとゆきこさんとでクルド家庭料理ランチを食べに行ってみたレビューを書いていきたいと思います。

🌸メソポタミアセット(ラハマージュン、羊飼いのサラダ+オプション:ヨーグルトスープ)

メソポタミアセット(ラハマージュン)
メソポタミアセット(ラハマージュン)

ラハマージュン:Lahmacun

ラハマージュン(Lahmacun)というのは羊(マトン)の挽肉を薄いナンに乗せたもの。クルド風のピザみたい。これは添えてあるサラダを包んで食べます。

薄いナンとは表記されていましたが、ナンとトルティーヤ(ピタパン)の間くらいの厚みでしょうか?ピザ生地ともちょっと違う厚さのような。

お味ですが、羊が好きな人にとってはマトンの臭みが良い感じに口に広がるので結構良い感じ。

さっぱりとした羊飼いのサラダを巻いて包んだり、ヨーグルトスープを合わせたりして食べるのです。なかなか楽しい一皿。

羊飼いのサラダ:Salata Sivan

羊飼いのサラダ
羊飼いのサラダ

このサラダは羊飼いのサラダ(salata sivan)

トマト、きゅうり、ピーマン、玉ねぎを賽の目に切ってオリーブオイルとレモン汁で和えるというのがトルコ料理での羊飼いのサラダ(Coban Salatasi チョバンサラタス)。

ピーマンは入ってなかったけど、きっと地域にもよるのでしょう。

そしてこれは中央アジアのアチチュクサラダと同じ作り方ですね。イランから東北の方に行くと中央アジアに至るので食文化も少しかぶる感じなんでしょうか。

(お店で食べたものはレタスも入ってましたが、羊飼いが山に行くときに持っていったサラダなので現地ではレタスは入ってないと思います)

ヨーグルトスープ:Sorbe Bimas

ヨーグルトスープ
ヨーグルトスープ

ヨーグルトスープ(sorbe bimas)は、汁気の中にプチプチとした…これは麦ですかね?サラッとした雑炊のような感じでしょうか。

味付けはあっさりした塩味、ヨーグルトとはいうものの酸味は軽い。ハーブなのかスパイスなのかわからないけど、独特の風味があります。

(と言っても味付けが薄めなので何か表現し難いのですが)

後で帰宅してから写真に撮っていたメニューの説明を読むとミントが入ってるんですね。具の穀物はやはり麦でした。

🌸メソポタミアセット(クフテー、タワ、シェへリエピラフ)

メソポタミアセット(クフテー、ピラフ、タワ、ピクルス)
メソポタミアセット(クフテー、ピラフ、タワ、ピクルス)

クフテー(ブルグル包み揚げ):Kofte

クフテー(Kofte、またはKutilk)というのは挽肉団子のブルグル包み揚げのこと。

齧り付くと外側はカリッと香ばしいのだけど、ブルグルのプチプチした食感と牛挽肉のポロポロとした食感、そこにジュワッと肉汁が乗って、非常に旨いです。

クフテー断面
クフテー断面

で、ブルグル(Bulgur)というものが何かよくわからないと思うんですが、これはクスクスによく似ているのですがクスクスとは別物なんですね。

調べてみたところクスクスは小麦を粉にしたデュラムセモリナ粉のパスタ。粒々の形状を持つため世界最小のパスタと呼ばれています。

一方、ブルグルは同じデュラム等の小麦でありながら挽き割りにしたもの。つまり精白されていない全粒粉のようなもので、栄養素やタンパク質含有量がパスタより多く食物繊維も豊富。

調理時間も短く、次に流行がくるスーパーフードではないかと言われているんですね。

確かに身体に良さそう!

日本では粗挽きタイプと細挽きタイプの2種類が手に入るみたいなので、これはちょっと試しに買ってみたいところ。

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クルドのピクルス:Tirsk

クルドのピクルス(Tirsk)は酢は使わず塩とレモン果実だけで漬けて作ります。

酸味が強い酢を使ってないだけあって、さっぱりして軽いんですよね。

これは家で作って食べたいなあ。

シェヘリエピラフ

シェヘリエピラフ
シェヘリエピラフ

シェヘリエピラフというのはクルド風のピラフなのですが、シェヘリエが何なのかまずわからない。Google先生に聞いてみたけど、結局わからず。

色が茶色いし乾燥した玉ねぎか何かなのかなと思ったんですけど、ビジュアル的に玉ねぎとは思えない…

そこアラブのピラフで調べたところ、この細長い茶色いものはどうやら「シャアリーヤ」というショートパスタだったようです。

イタリア料理にカッペリーニという細いパスタがありますが、カッペリーニよりも細い印象で、少しモジャモジャしているのでインドのバミセリ(デザートに使うやつ)に近いでしょうか。

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このシャアリーヤをキツネ色になるまで油で炒めた後に米と一緒に塩と油を入れて炊き上げるのが作り方みたいですね。

というわけでこのピラフ、お味はほぼ塩気しかない感じ。それもそのはず、使っている調味料は塩のみでした。笑

そういえばエジプトの代表的なお料理に「コシャリ」という米料理があるのですが、これは油で炒めた米を炊いたあとに

豆とパスタを混ぜて上からトマトソースをかけフライドオニオンをトッピングしたもの。味付けは好みでレモン汁をかけていただくスタイル。

バックパッカーをしていた知人は「あれは激マズだ」と言っていましたが、ネットを見ると意外とハマる人の多いB級グルメという噂ですね。

私はコシャリを食べた事がないので、いつか食べてみたいお料理の1つです。

タワ

タワ
タワ

タワ(Tawa)というのは野菜の煮込み。ジャガイモ、人参、パプリカなどが入っていて、ホクホク。

煮込みというか、結構水分が飛ばしてあるので、口に入れた感じ(食感)は肉じゃが的。

お味は塩とクミンかな?醤油は入ってないですからね。

肉を入れたら中央アジア料理のディムリャマみたいな感じになりそうなイメージです。

羊飼いのサラダ=アチチュクサラダだったりして、やはり中央アジアにも食文化がかぶる部分があるのかな。

↓↓中央アジア料理(おいしい中央アジア協会・ユーラシアの薫りを楽しむ昼食会)を食べに行ったレポがこちら。↓↓

地図を見ていると中央アジアよりもジョージアのが近いのですが、ジョージアはソビエト連邦の構成国だったのでロシア料理に雰囲気が近いです。

↓↓ジョージア料理を食べにいった話も記事にしてあるので、良かったら覗いてみてください〜↓↓

🌸クルド料理のレシピ本

冒頭にも書きましたがクルド料理というのはこれ、というレシピがありません。

ただ、難民レシピ本「海を渡った故郷の味 Flavours Without Borders」ではクルドの料理としてヨーグルトを使用したレシピが紹介されています。

この本は認定NPO法人の難民支援協会さんが出版している本で、15の国と地域から45種類の家庭料理レシピを集めたもの。

世界から日本に逃れてきた難民の方達が書いたレシピで日本にある材料で作れるように工夫されたお料理の本です

私もこの本を持っているのですが、見ているだけでも楽しい本。写真も綺麗です

海を渡った故郷の味 新装版 Flavours Without Borders new edition【電子版】【電子書籍】[ 認定NPO法人 難民支援協会 ]

🌸クルド料理教室

川口市立公民館でクルド料理教室が定期的に開催されていたりするので、料理を作る方に興味がある方は色々とチェックして見てください〜。

面白そうなので機会があったら行ってみたいなあと私も思います。

「クルドを知る会」はFacebookページもあるようです。クルド刺繍のオヤ教室もあるみたい。
048-834-1232(連絡事務所)

ちなみに…

社会情勢的に何かと不穏なニュースもあるのですが、日本クルド文化協会さんも料理教室を開催されていたようです。

私は世界の人々が争わずに過ごせる世の中になって欲しいのですけど、色々な歴史の変遷があるのでなかなか一筋縄にはいかないのでしょうね…。

🌸クルドの刺繍(オヤ)

民族刺繍や布ってなんだかとても魅力的なので私は好きです。だって可愛くないですか?

楽天市場のオリエントバザールさんでもトルコ雑貨が通販で買えるようなので見ていたら、綺麗なストールの端にオヤ刺繍が付いていたりしてこれがまた可愛い。

クルド家庭料理「メソポタミア」さんでも買えたようなので、ちょっと見てくれば良かったなあ(後悔先に立たず)

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クルド手芸製品/

そうそう、今回、一緒にクルド家庭料理「メソポタミア」にお邪魔したのはフリーランス看護師ゆきこさん。

アフリカにボランティアで行ったり、アフリカ布で作った小物の売り上げを現地の方に寄付したりしていて、なかなか素敵な友人なのです。

↓↓アフリカ布雑貨も通販しているので、よかったらゆきこさんのブログも覗いて見てくださいませ↓↓

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